治験・クロザピン治療について
治験とは?
「治験(ちけん)」という言葉を聞いたことはありますか?
医薬品(私たちが普段使うお薬)が病院等の医療機関で使われたり、薬局で販売されたりするためには、予め厚生労働省の承認、認可を得ることが法律で義務づけられています。承認を受ける前の薬剤(医薬品の候補)については、実際に患者さんや健康な方に使って頂き、その安全性(副作用の有無やその種類、程度、発生条件など)と有効性(効果、最適な投与の量や方法)を確かめる必要があります。このような「新薬開発」のための「治療を兼ねた試験」が「治験」です。
現在、病院で処方されているお薬は私たちの健康と福祉にとって欠かせないものの1つであり、今日の医療はお薬の開発によって大きく進歩してきました。しかし、今でも未だ治せない病気もたくさんあります。そういった病気を克服するために、もっとお薬の効きがよくなるよう、副作用が出にくくなるように、これからも新しいお薬の開発が必要になります。
当院でも、統合失調症や双うつ病、うつ病、アルツハイマー型認知症の「治験」に取り組んでいます。治験専門のスタッフもおりますので、ご質問等があればいつでもお問い合わせください。
クロザピン治療とは?
クロザピン(商品名:クロザリル)は、今まで複数の抗精神病薬による治療を受けてきたにもかかわらず症状が十分に良くならなかった「統合失調症」の患者さんに対して、効果があることが世界で唯一認められ、現在97カ国で使用されているお薬です。日本でも2009年から使われ始め、研修を受けた登録病院・医師のもとで、使用されています。
当院でも2011年よりクロザピン治療を開始しています。その結果、長い入院生活を余儀なくされていた患者さんが退院されたり、目をみはるように症状が改善しデイケアや就労での社会復帰をされたりと大きな効果がみられています。
※平成27年9月30日現在44名の方が登録されています。
受診希望の方へ
クロザピンを使ってみたい、詳しい説明を受けたいとお考えの方は、まずは現在おかかりの病院または診療所の主治医とご相談の上、紹介状を持ってお越し頂くようお願いします。
初回受診時はご家族のみでも可能です。
※ご来院の際は事前にお電話にてご予約ください。